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セルフレジがコミュニケーション力を失わせる、かも

東大阪のセブンイレブンのオーナーが時短営業を宣言、日曜休業は本部との話し合いによって当面保留となったようですが、コンビニの人手不足は深刻です。

自宅近くのコンビニでもそれは感じられます。オーナーと思われる男性は日本人でも、それ以外の従業員は外国人であることが多く、時間帯によっては全員が外国人ということもあります。

知人にコンビニの店長が居ます。彼によると今のコンビニは時給を上げても、なかなか従業員獲得には繋がらず、バイト先としてコンビニは他と比べて下に見られているとのこと。面接時間に平気でブッチするのはザラで、雇えたとしてもシフトの時間になっても来ず、連絡もなく突然辞めるケースもあるそうです。

そんな人手不足を解消するべく、コンビニでは夜間を無人にしたり、将来的な24時間無人営業を実現できるよう試験営業を始めています。

先日もローソンの試みとして、昼間は通常営業、夜間は酒類やレジ横のホットスナックの販売をやめ、セルフレジによる無人営業の様子が紹介されていました。実際にはバックヤードにスタッフが一人居るものの、商品出しやイレギュラーな対応以外は表に出ません。

24時間、欲しい時に商品が手に入る。コンビニサービスの第一ですが、深刻な人手不足はあるにせよ、この無人営業はうまくいくのか、大きな自動販売機のような存在になりはしないかと思うところです。

40〜50代の方なら知っていると思いますが、昭和の時代に自販機だけ設置したロードサイドのお店がありました。最近テレビでも、うどんやカレーが食べられるレトロな自販機が取り上げられていたので、見た方も居るかと思います。

私の故郷の香川でも、そのような店は複数ありました。ですが、昭和が終わる頃それら多くの店は寂れ、駐車場入口にはロープが張られ閉店となりました。

閉店となった本当の理由はわかりませんが、今のような低価格の自販機も無かった頃で、自販機ショップは価格面で割高でした。オーナーとしても24時間の電気代を考えると、商品は定価販売するしかなかったのでしょう。さらに手軽に手に入るフードは、さほど美味しくもありませんでした。

私は未来の無人コンビニと、この昭和の自販機ショップがダブるのです。

少し話は変わりますが、近所に大型規模のユニクロがあり、少し前から会計がセルフレジになりました。商品を所定の位置に置き、パネル操作で会計処理を行い、商品を自分で袋に詰めます。お客の誘導や操作のフォローのために店員が一人居ますが、それ以外の店員は店内の陳列整理やお客の対応をしています。

はじめセルフレジに戸惑いはしましたが、以前の人のオペレーションによるレジに比べると、レジ前の行列もスムーズに進んでいるように感じました。

ただ、私自身は物足りなさも感じました。別にお礼を言ってほしいわけでなく、レジをフォローする店員から「ありがとうございました!」と声もかけてもらったので、それで充分です。

でもその時の私は、空気としてはロッカールームで着替えているような感覚でした。ロッカールームは着替えるために自分で服を出したり、片付けたり袋に入れたりしますよね? 自分で自分のことを黙々とやっている、あの空気感に似ています(そうか?w)。

以前は店員がレジ打ちしたり、商品を畳んで袋に入れる動作、会計の流れをただ見ているだけで、ある意味こちらは待たされているわけですが、店員の所作を見ながらある種のコミュニケーションをしていたように感じます。

流れるように作業する店員もいれば、名札に「研修中」とあり少しモタついていたとしても、「別にこっちは急いでないから」と内心思うこともありました。交わす会話は「カード一回払いで」のやり取りしかなくても、言葉ではない部分のリアクションやそれに対してこちらも何かを思う。きっと店員の方も何か思いながら作業しているはずで、いわば双方はほぼ無言のコミュニケーション、そして何かを感じて思っています。

セルフレジは機械のため、こちらの操作に応える形で会計が進みます。初回は新鮮であっても二回目以降は文字通り「操作」でしかありません。

日常的に何度も利用するコンビニでセルフが普通になると、ずっと会計の操作が繰り返されるだけの、手間がかかる自動販売機のような存在になっていくのではないでしょうか。すると、コンビニでの買い物は楽しく無くなるかもしれません。いまさら自販機でコーヒーを買う時に、ワクワクする人はいませんからね。

駅の改札が自動になって既に30年以上過ぎ、セルフのガソリンスタンドも一般的になりました。自動化やセルフになったからといって、慣れてしまえば普通のことになるのでしょうが、些細なことは無くなっても、些細なだけに意味があったことに気が付きにくいものです。

もしかすると、駅が自動改札になって人と接する機会が減って、駅員に対する暴力が増えたとか? セルフのガソリンスタンドが増えて人と接する機会が減って、クルマに乗り込むと自己中の我が物顔で「あおり運転」する人が増えたとか? 知らんけどw。

セルフレジによって、今までよりも上で書いた「人に対して何かを想う時間」は確実に減るでしょう。そして、日々繰り返される日常であるがゆえに、人のコミュニケーション力に少なからず影響を与えると思います。相手の仕草から何かを読み取る力が身につきにくくなり、次には相手の気持を想像する力も衰えていくかもしれません。

コミュニケーション力は人前で喋るとか、パーティーで初対面の人に話しかけるとか「エイヤ!」と肩に力が入る場面を想像しがちですが、日常生活の中に小さな機会があちこちにあって、自分でも知らないうちに身に付けています。でも、セルフサービスが増えることによって、気が付かないうちにそのチャンスが減っていくのかもしれません。


リカちゃん セルフレジでピッ!おおきなショッピングモール