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大阪芸術大学卒業制作展2021を見てきた

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久々すぎる、久しぶりすぎる更新!

さて、大阪芸術大学の今年度授業が終了しました。て、それはもう1ヶ月前のことですが…。

この一年は新型コロナの影響で4月一杯は休講、5月からオンライン、6月から対面授業再開と新学期から混乱が続いた年でした。その上に、私は担当する授業数が今年から増え、新しいクラスを持つ状態だったので準備やら段取りやら前期はかなり大変でした。

芸大といえば実習があるのにオンラインとは…、と当時大学側から方針を伝えられ、私も含め他の先生方もあたふたしたのを覚えています。一部、先行してオンラインの経験があった先生方に指南して頂いたおかげで、私もなんとかオンライン授業が出来ました。

対面授業が再開されました6月の時点ではコロナに関してわからないことが多く、授業時間はとても緊張した空気が流れていました。特に一回生は初めての大学生活で友達もおらず、出された課題を黙々とこなしている様子。彼らは一年を終えて学校に馴染めることが出来たのか、友達は出来たのでしょうか。

そんな混乱の一年を終えて、今年も卒業制作展、いわゆる卒展が開催されました。一部のイベントはオンラインで開催されたものの、作品展示や発表はほぼ例年どおり。今年の4回生は彼らが1,2回生の時に私が授業を担当した学生も居て、その成長を確認できる場としてとても楽しみにしていました。

そして、その仕上がりは期待以上でした! 私は4回生の授業は直接持っておらず、ゼミも担当していないため卒展に向けた作品作りが、どのように進められたのか全くわかりませんが、例年以上に完成度が高い作品が多かった印象です。

大阪芸大のデザイン学科はグラフィック、プロダクト、イラストなど7つのコースに分かれていますが、いい意味でそれぞれの区分けがわからない程にジャンルを拡張している作品が沢山ありました。グラフィックでも立体を作っていたり、イラストでも映像を手掛けていたり。例年もそのような傾向は見られるのですが、今年はより深く自分の物として落とし込めていました。

学生はAdobeのアプリケーションを学生価格ですべて利用することができます。そのためPhotoshopやIllustratorを授業で触って、興味を持てばPremiere ProやAfter Effectsなどの動画も手軽に手を出すことができます。例え授業で習っていなくても、今ならネットで使い方の情報はいくらでも手に入ります。SNSを利用した学年、学科を超えたネットコミュニティサイトの作品もあって、デジタルとSNS環境をうまく利用して作品に仕上げていました。

そのため卒展を見終わって、私は今の学生が羨ましく感じました。それは、上に書いたデジタルツールやSNSの環境など、作品制作に生かせる環境の充実に恵まれているからです。昔話ですが私の時代ならポスターカラーで色を塗る時代で、バリエーションに時間はかかるし、やり直しはほぼ無理。試行錯誤でクオリティを高める術も時間も限られていました。

それに比べると、年々学生たちはデジタルツールやSNSとの付合い方が上手くなっているのを感じます。物心ついたときからネットがあって、デジタルで物を作ることに慣れている世代、デジタルネイティブと言われる世代が、ツールに使われるのではなく物事を捉えて考えて作れるようになってきているのを感じます。

もちろん、それは本人のやる気があってこそ。興味を抱いて試しに触ってみるのか、協力を仰いで周囲に声をかけるのか、一歩踏み出すかどうかは本人次第です。

そんな見ていて楽しい卒電はありましたが、自分よりもずっと下の世代が、どんどん成長する様子を感じられて私もまだまだ頑張らなければ!と思うのでした。