ネットショップのページで大切なことは沢山ありますが、商品写真は最も重要な要素のひとつです。手にとって物を確かめられないネットショップでは、その良し悪しで売れ行きを大きく左右します。
私はキッチン用品を扱うネットショップの運営をしていましたが、写真の撮影にはいつも時間をかけて、私自身が撮っていました。プロに依頼するほど、予算も無かったという理由もありますが…。
この曲げわっぱのお弁当箱の写真も私が撮りました。スタジオで撮ったものではなく、大きめのテーブルに白い大きな紙を背景紙として設置。光は上からの蛍光灯一つで、光が回るようにカメラの前に薄い発泡スチロールの板を、レフ板として立てて反射させています。パソコンに取り込んでから、明るさはPhotoshopで触っています。
大切なのは、商品の良さを伝えることです。この商品はイイものだと思うのなら、その良さを伝えるためにイイ写真を撮る努力をします。
撮影する時に注意していたのは綺麗に撮ることと、先ほど触れた「ネットショップの商品は手にとって物を確かめられない」ので、手に取っているかのように細部を撮ることでした。
まず、買う側の気持ちになって撮ることが大切です。買おうと思っている人はどこが気になるのか、どこを確かめたいと思っているのか想像することが重要です。言い尽くされていますが「お客様の立場になって」です。
もしも店頭で手に取ったとしたら…と、その時の行動を想像するのです。フタを開けてみて、バラしてみて、重ねた部分のズレがないか、止めの部分はしっかりしているか、木の風合いはどうなっているのかなど、商品として気になるところを全て見せます。
また、この曲げわっぱは、日本製で職人さんによって丁寧に作られたものなので、その特長が伝わるように接合部分や角の処理を大きく扱いました。出来るなら木の香りも伝われば、くらいの気持ちで撮影しています。
よく、メーカーさんや仕入先で用意されている写真、しかも一方向からしか撮られていない写真を使っているネットショップがありますが、それではダメです。例えば大手家電メーカーの、他でその情報を詳しく調べられる商品であれば、それもアリですが、そうではない商品で写真一点だけは明らかに情報不足です。
ちなみにこの曲げわっぱ、私のお店では税込9,882円で販売していました。お弁当箱としては決して安くはありませんが、月に4~5個売れていました。