久しぶりにちゃんと映画を観ました。て、相変わらずBlu-rayですけど。
ホント、最近劇場で観た映画と言えば、ムスメと仮面ライダーと戦隊モンくらいで…。
さて、今回は「クロニクル」です。
「クロニクル(chronicle)」は「年代記」や「記録にとどめる」という意味があって、この映画は文字通りビデオで撮影された映像記録のようなスタイルで描かれています。いわゆる「POV(Point of View)」、一人称による視点で、同様のスタイルでは「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や「クローバーフィールド」が有名ですね。個人的に「POV」は臨場感とリアリティがあって好きです。
この映画には三人の少年が登場し、家庭に問題がある少年や、学校でも人気者の少年など、同じ学校に通いつつも状況は三者三様。主人公の少年は学校では目立たない、どちらかというといじめられっ子。その少年が自分の生活をビデオで記録しはじめます。クラスメイトに「なに撮ってんだよ!」と絡まれたり、チアリーダーから「キモイ」とか言われるあたりがリアル。
その三人が、あることがキッカケで不思議な力を身につけます。最初はその力に戸惑いつつも、コントロールできるようになるにつれ、軽いイタズラなど楽しめるようにもなってきます。
中でも妙にリアリティを感じたのが、少年達が不思議な力を試している様子を収めた映像です。YouTubeで素人が、特技を披露している映像に非常によく似た雰囲気です。
また、その能力によって物を浮かせたり動かすことができるため、ビデオカメラを宙に浮かせ、自分たちを撮影し始めます。すると、それは一般的な映画の第三者の目線と同じようなスタイルとなるため、「POV」ながら視点が変化するアプローチが、作り方として面白いです。
そのいじめられっ子は、不思議な力と友人の協力によって人気者に大変身。一躍、学園のヒーローになるものの、ある事がキッカケで転げ落ちてしまい、そこから精神のバランスを失い暴走を始め、クライマックスになだれ込みます。
撮影スタイルによる臨場感や、主人公の少年が徐々に病んでいく様子などは面白かったですけど、ぶっちゃけ内容的には「キャリー」や「AKIRA」などと似ていますね。どちらも友達の間では目立たない存在であったのが、ある力を持って強くなり暴走するあたりはほぼ同じ。
この歳になってくると、過去にいろんなものを見聞きしてきているので、なにかしら既視感があるのは仕方がありませんね。逆にいうと、それら映画を未見なら、かなり楽しめると思いますのでオススメです。もちろん「キャリー」や「AKIRA」を知ってる人にも。(笑)
余談ですが、「クロニクル」のBDは国内版だと高いためAmazon.ukで購入しました。日本では今年の夏に公開だったのが、海外では公開から2年近く経過していて、BDも1年以上前に発売されていました。そのため日本への送料を含めても£9.41、1,550円で購入でき、劇場に行くよりも安く観ることができたのでした。UK版ならリージョンフリーで日本語字幕もあります。