新学期スタート、ある一言で改めて思い返す

新年度が始まり(もう4月中旬ですが)、春から大学の講師も再開しました。

大学は新年度になってもガイダンスや履修登録などの期間があって、実際に授業が始まったのは4月10日から。私が担当する授業はさらにあとで、13日からでした。週三日授業があり、昨日でひと通り初回の授業を終えました。

年度末は入試、卒業式など行事ごとが多く、2月初旬で授業は終わっていました。常勤の先生方は、その後も新年度のカリキュラムの調整や入学式で学校には出ていますが、私は非常勤のため大学へ行くのも2ヶ月ぶりです。

それだけ間が空いて、新年度で新しい生徒が相手だと私も緊張するのですが、初回をひと通り終えたことで、だいぶ落ち着きました。

昨日は一回生の授業でした。初回の授業は自己紹介だけで終わるパターンもあるようですが、私の場合は4時間半ミッチリと実習をしました。内容はMacの基本操作と、Photoshopを使った編集です。

その授業終わりに、生徒同士が話しているのが聞こえてきました。似たシチュエーションが以前にもありましたが、今回はちょっと違います。

「面白かったな〜、高校の時なんて興味ない授業なんか死んでたわ。自分が好きなことに向かって、これが勉強って楽しいわ〜」

芸大に来る子は一般の大学へ進学するよりも、好きなことがかなり具体的に決まっていて、それをやりたくて入ってきているのがほとんどです。実習では何かを作ることで達成感もあるでしょうし、触れたり聞いたりすることも新しく、好きなことを学ぶことができているとの実感もあるようです。

その会話を聞いて、私も学生の頃を思い出しました。高校までの席に座って授業を聞いているだけとは違い、頭と手を使って何かを作ることが勉強で、それに没頭して時間を費やすことが出来るのは、いま思えばとても贅沢なことでした。

大学の授業料は高額で親に出してもらっていたので、その意味でも贅沢です。4年間通っているとそれが日常になって、徐々に気持ちも緩んでくるのですが、恵まれた状況に居たことを改めて思い出しました。

と同時に、今の自分に照らし合わせると、好きなことを仕事にしてお金を頂けるのは、とても有り難いと改めて感じます。今の仕事の内容が、自分のやりたことと100%合致しているかというとそうではありませんが、仕事を通じて満足感や充実感を得ることが出来ているのは確かです。やったことの評価がそのまま自分に返ってくるので、リスクもありますが自分の学びにも繋がっています。

仕事も大学と同じように、続けているとそれが当たり前に感じて、感謝の気持ちも薄れるのですが、生徒の会話から自分も恵まれている環境にいると再認識しました。

今回のように、自分よりもずっと年齢が低い子の一言、必ずしも自分に対して発せられた言葉でなくても、何かに気付かされる、改めて思い出させることってあります。その言葉を私事として感じるかどうかは、その人次第ですが。


世界に一つだけの勉強法 [坪田信貴]


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