HEVCに悩まされる

先日の「OSMO MOBILE 2」で撮影した動画の取り込みで、思いがけず悩まされました。

撮影自体はiPhoneで行っているため、OSMO MOBILE 2には全く問題ありません。要はOSの問題です。

iPhoneは新しいOSが出ると比較的すぐにアップデートしますが、デスクトップのMacは仕事で使うため、安定性を重視してOSはすぐにはアップデートしません。そのため、Macは3世代ほど前の「OS X El Capitan」のままでした。

タイトルにある「HEVC」というのは新しい動画圧縮の規格で、OSが高いiPhoneで撮影したら、OSが古いMacでは読み込めなかったのです。

そうなるとiPhoneで撮影した動画が他のデバイスへ移動できなくなるため、iPhoneは書き出す際に自動でH.264へ変換してくれます。なので、普通なら問題ないのですが…。

年末年始で帰省した際、地元の丸亀城へ登りました。丸亀城は山城で、階段やスロープを登って天守閣に向かいます。その様子をOSMO MOBILE 2を使って、スルスル滑らかな動画で撮りたかったため、自宅から天守閣までほぼ切れ目なく一本の動画に収めたのですが、約30分ほどになりました。

先に書いたようにiPhoneが記録する時はHEVCだった(初期設定で変更可能)ため、Macへ読み込む際に変換し始めましたが、約30分の動画に途方もない時間がかかるのです。プロセスを見ていると全くバーが移動せず、本当に処理をしてるのかわからないほどでした。iPhoneが高性能になったとはいえ、動画の変換、しかも30分の尺となると負荷が大きいようです。

これはHEVCのままMacへ読み込んだほうが良いだろうと考え、サブで使っているMacBook AirのOSを最新のMojaveにしたところ、HEVCのまま読み込むことができ、ほんの1〜2分で完了しました。

ですが、読み込んだのは良いものの再生環境が限られます。MacはOSを上げることで対応できますが、BDプレーヤーやネットワークプレーヤーの殆どはHEVCに対応していません。そのため、幅広い環境で再生できることを考えると、HEVC(H.265)からH.264へ変換しておくと安心です。

そこで、「Adobe Media Encoder」で変換することにしました。デスクトップのMacは相変わらずEl Capitanのままでしたが、Media EncoderはアップデートでHEVCを扱うことが可能です。OSはネイティブ対応していないけど、アプリケーションレベルでは扱えると。

Media Encoderで約30分のHEVCをH.264へ変換を試みたところ、作業完了の予測時間が80時間を超えていました。え?3日以上?

と、見ていると予測時間はみるみる増えていき、5日ほどになりました。進捗のバーは当てにならず、実はもっと早くに終わることもあります。試しに一晩処理をさせて翌朝確認すると、6日ほどに増えていました。マジか…。

このままでは何日かかるかわからないので、もしかしてOSレベルで対応していないことが原因かと考え、MojaveにアップデートしたMacBook Airで処理したところ、約50分で終わりました…。MacBook Airは2.0GHzデュアルコア。最新モデルに比べれば劣るものの、これほど高速に処理できるとは思っていませんでした。

因みにデスクトップのMacは、6年ほど使っている旧Mac Proの3.2GHzのクアッドコアです。古いのは確かですが、MacBook Airと比べて我慢できなほど遅くなるわけはないハズ。

で、重い腰を上げてデスクトップのMacをHigh Sierra(最新の一世代前)にアップデートして、同じ処理を試したところ、約35分で終わりました!ハードはそのまま、OSがネイティブ対応していないだけで、これほど大きな差になるとは。Macを使い続けて20年以上になりますが、はじめての体験でした。

あと、あまり長い尺のワンカット撮影は止めておいたほうがいいですね。普段は2〜3分のカットで撮ることが多いため、大きな問題はありませんでした。今回は理由があって長くなりましたが、後の工程を考えると特別な理由がない限り長尺は禁物ですね。

動画の変換はできたものの、私のMac ProではHigh Sierraまでが限界。最新のMojaveはハードの関係上アップデートすることができません。となると、アプリケーションも最新版が利用できなくなる可能性が高くなるため、いずれ買い替えが必要です。動画変換の悩みは消えましたが、Mac買い替えの悩みが生まれてしまいました。


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