結局、個性を伸ばしていくしかない

泉佐野市の「ふるさと納税」がニュースになっています。

返礼品の他にAmazonギフト券をプレゼントすることや、地元名産とは言い難い返礼品など何かと問題も多いようです。

私は泉佐野市出身ではなく、香川県丸亀市の出身です。環境は違いますが地方出身者として、泉佐野市のやり方もわからなくもないです。

地方の名産品や、その地域にしかないものは確かにあります。ですが、厳しい言い方になりますが、それに他の地域との差別化や、特別な価値があるかどうかは別の問題です。その土地に縁もゆかりも無い人から見た時に、お金を出すほどの価値があるのかは難しいところです。

以前、私はネットショップの運営に直接関わっていましたが、似たようなことを感じていました。そのショップでは日用品を仕入れて販売していましたが、モノ自体は他の店にもあるもので、自分たちの店の特色ってなんだろうと凄く悩みました。かといって、資金的な問題もあり、簡単にオリジナル商品を開発できるわけではありません。

結果的に割引率をあげたりポイントの還元率を上げるなど、金銭的なメリットを掲げるしかなくなりました。これは今の泉佐野市と似ています。ただ、泉佐野市は他の自治体がルールを守っているので一人勝ちの状態ですが、他が追随すればネットショップのように金銭面でのサービス合戦に陥ります。

ふるさと納税は春から規制されるようなので、返礼品だけで特化するのは難しくなります。プレゼントや金銭的なサービスで集まってくる人は、そのサービスが終わったり、それを上回るサービスが他で出てくると簡単に去っていきます。それとは違う価値を求める人に集まってもらうには、送り手側も違う価値を示さなければなりません。

少し話は変わりますが、大学時代の出来事です。一回生の頃、私は受験に向けてデッサンばかりやっていたため、入学後に抽象の世界が理解できませんでした。(本来は違いますが長くなるので)見たままを描くデッサンの具象から抽象へ、考えや個性を絵に込めるにはどうすれば良いのか戸惑っていたのです。

その時、教授に「元から持っている滲み出る個性なんて大したもんじゃないよ。膨らませて大きくしていかなきゃ。」と言われました。

私は個性というのは放っておいても自然と出てくるもの、個性的な絵を描く人は、元々が個性的で自然と描けているのだと思っていました。それも間違いはないのですが、他を納得させられるほどの説得力を持つには、意識的に出していかなければならないと。この年になって周囲を見ると、何かしら特化している人や企業は、それに向けてずっと努力しているんですよね。

泉佐野市の話に戻ると、市の公式サイトとは別に観光協会による観光サイトもあって、ふるさと納税以外に何もしていないわけではありません。

ただ、現状では観光スポットの一覧に留まっているため、もう一歩踏み込んだ見せ方ができます。例えば、りんくうタウンのアウトレットモールや山側には夜景スポットがあるので、それらを巡るデートコースを提案したり、家族連れ、アウトドア好きな人に向けたおすすめプランを提案するなど出来ることはまだありそうです。

縁もゆかりも無い場所は、無関心な場所であるため、そこに関心を持ってもらうには「自分に関係がある」と感じてもらう必要があります。その地域に元々興味がないので、単に一覧を見せられても遊ぶコースを自力で考えるには至りません。彼女がいる、家族がいる人に繋がるには、楽しく過ごせる場所である、過ごしているイメージが具体的に浮かぶ見せ方が必要で、これが膨らませることに繋がります。

泉佐野市には、魅力的なスポットや物がたくさんあるように思います。それらをもっと膨らませて訴えていくことで、市外から訪れる人や人口の流入に結び付けられるのではないでしょうか。ただし、これは地道で時間がかかることなので、腰を据えて取り組む必要があります。



【ふるさと納税】 泉佐野市 まごころふきん 手ふきん(日本製)


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