窪之内英策展「絵空ゴト」(前期)

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あべのハルカスの24階にある大阪芸大スカイキャンパスで開催されている、「窪之内英策展 絵空ゴト」へ行ってきました。先日の江口寿史展に続いて、この連休は展覧会づいています。

窪之内英策といえば、私の世代では「ツルモク独身寮」です。大学時代に友達に勧められて知りました。現在はイラストレーターへ転向して、主に少女・女性のイラストで人気があります。会場にも展示されていますが、カップヌードルのアニメCMのキャラクターデザインが記憶に新しいです。

窪之内氏は大阪芸大の2019年大学案内の表紙を担当したり、昨年は芸大での特別授業も担当された流れもあって、今回の展覧会に繋がったようです。特別授業を知った時には、おおっ!と色めき立ちましたが、私は担当授業があったため聴講できませんでした。というか、そもそも私の所属するデザイン学科とは別のキャラクター造形学科の授業でしたが。しかも生徒ちゃうし(笑)。

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あべのハルカスは遠くからでもわかりやすいものの、会場の大阪芸大スカイキャンパスへ行くのは少しややこしいです。まず、ハルカス地下1階のエレベーター乗り場から、オフィスフロア行きのエレベーターへ乗ります。展望台行きでも良いのですが、観光客が乗らないためオフィス行きのほうが空いています。

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会場のある24階までエレベーターでは一気に行くことが出来ず、途中で乗り換えなければなりません。17階で一旦降りて、更に上層階18〜25階へ行けるエレベーターへ乗り換えます。会場のある24階に着けば、エレベーターを降りてすぐです。

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ちなみに「スカイキャンパス」というくらいなので、普段からここで授業をやってそうな印象ですが、今回のような展覧会や特別なセミナーしかやっていません。

そして肝心の展覧会ですが、とにかく作品の点数が多い! 壁二面にわたって、作品が大量に展示されています。しかも、そのクオリティがどれも高い! 今回は「ラクガキ」がテーマとしてあって、展示作品の全てが何かに使われたわけではなく、個人的な習作も含まれているのですが、そのどれもが唸るほど上手いです。

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この壁面の展示は、大阪芸大の芸術計画学科の生徒たちがプロデュースしたそうです。過去の他の展覧会でもこのような活動はやっていて、授業の一環として一般の人の目に触れる展覧会に関わることができるのは、とてもよい経験だと思います。

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「ツルモク独身寮」の頃から絵は上手かったですが、現在の人物イラストはタッチが大きく変化していて、特に骨格や動き、仕草はよりリアリティがあります。絵画的な見方をすると、人物はちゃんと骨と肉が感じられて、どのポーズでも重心が感じられます。私も若い頃にデッサンはやったほうですが人物は苦手で、足元にも及びません。

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あと、デフォルメのイラストも上手いです。人をリアルに描ける人でも、デフォルメできない人って結構いるのですが、できる人は個々の特長を単純化して表現できるので、リアルな絵を描く時も少ない線でフォルムや動きを違和感なく描くことができるんですよね。本当に凄まじい画力を感じ、いつまででも見てられます。

会場には、アトリエを再現したコーナーもあります。窪之内氏はコンピュータは使っておらず、ずっと手描きでコピックによる着彩だそうです。別の場所に展示されている絵には、コピックによるカラー指定の原画もありました。時代的にデジタルで描いていると思っていたので意外でしたが、線の強弱や生きた感じを見ると納得です。

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あと、塗り絵コーナーもあります。ここでは窪之内氏の絵を基に着彩体験ができます。絵は描けなくても色塗りで楽しむことができ、完成すると壁面に展示することが出来ます。

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グッズ販売もあり3,000円以上購入すると、特製ペーパーバックがもらえます。しっかり「芸大」のロゴが入っていますが、以前にオープンキャンパスで使われてたような、なかったような…? 私はクリアファイルやポストカード、塗り絵本を購入しました。他にもデザインが異なる缶バッチが、ランダムに出るガチャガチャもあります。

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展覧会のPRとして近鉄百貨店の2階では、「絵空ゴト」のペーパーバックが無料配布されていました。ちょっといいスイーツ店並みのしっかりした紙で、底の補強に厚紙も入っています。これが無料とは太っ腹!

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展覧会は前期が4月20日(土)~5月16日(木)、後期は5月18日(土)~6月16日(日)に分かれていて、期間により展示内容が替わります。展覧会は大阪芸大企画によるもので、他への巡回予定は無いようです。会場内はフラッシュを使わず、他のお客さんの邪魔にならなければ撮影可能です。

ハルカスは大学への通勤で通るので、学校帰りにでもまた訪れようと思います。


ラクガキノート 窪之内英策作品集


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