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トラブルは起きる、けれど二重にストレスをかけない

先日、サポートをしているネットショップでちょっとしたトラブルがあり、そのWebサイトへお客様からマイナスのレビューが書き込まれました。私は日々の細かいやり取りまでは把握していないので詳細はわかりませんが、レビューの内容を読むと大体のことがわかりました。

どうやら、注文したにもかかわらず店側が見落としていて、出荷処理が一向に進まないのをお客様から指摘され、その後出荷したものの発送お知らせメールの内容は定型文のまま、お詫びの言葉が一切無かったということでした。

これはアカン。

お客様は出荷処理が進まない時点で、一度ストレスを感じているのに、お詫びの言葉が無いことで輪をかけて二重にストレスを感じられています。

ミスは誰にでも起きることで、おそらく一般の人でも多くは「まあ、あるよね。」くらいに感じています。ですが、重ねてストレスがかかると状況は違ってきます。

  1. 商品が出荷されない・・・期待通りでなかったストレス
  2. お詫びがなかった・・・・自分が軽く扱われたと感じるストレス

「1」と「2」ではストレスの種類が全く異なります。「1」のミスが起きた際に、お客様は「ちゃんと対応して欲しい」と感じます。それに加えてお詫びもなく定型文のメールが届くと、「こっちは嫌な思いをしているのに、普通のお客と同じように何をしれっと対応してんねん!」と、何もなかったように自分が軽く扱われたと受け止め、怒りが込み上げてきます。

「1」の間違いによるストレスは「まあ、間違いは誰にでもあるよね。ちょっと遅れたけど目くじら立てなくても。」と受け止めることも出来ますが、「2」は場合によってはプライドを傷つけられたと感じるので、「こんな店、二度と使うか!」と深いマイナスの感情に結びつきます。

これはネットショップに限ったことではなく、日常でもある話です。例えば、飲食店で長時間待たされたのに「お待たせして申し訳ありません」が無かったとします。すると、いくら料理が美味しくても、「流行ってるか知らんけど、客を軽く見てんちゃうか?」くらいに感じる時もあるでしょう。今ならネットへの書き込みも十分あり得ます。

私がショップ運営に関わっていた時も、誤って別の商品を送ってしまうミスが何度かありました。出荷業務は別会社へ委託していたので、直接的には私の責任ではありませんが、お客様からみればそんな状況は知ったこっちゃありません。注文も出荷も、間違いもそのショップで起きたことです。内部でどういった役割分担があるかは関係ありません。

間違いがあったとお客様から連絡があると、私は即座にお詫びのメールを返信しました。間違った商品の返送方法と、正しい商品をいつ出荷できるのか、どれくらいでお届けできるのかも伝えました。お客様からの連絡が夕方で、その日の出荷がすでに終わっているなら、明日の発送になる、場合によっては週明けになると細かく伝えました。

そして、本来の商品を送る際にも詫び状を作成して、出荷を委託している業者へメール添付で送り、プリントアウトして同封してもらいました。更に、再出荷のお知らせメールにも、改めてお詫びをする内容を書き足していました。

これらをすることにより、お客様によるレビューも「商品に間違いがありましたが、迅速に対応してくれ代わりの商品もすぐに届きました。」と、5つ星とプラスの評価を頂き、「このお店はちゃんとしている」との評価へ繋げることができました。

一番ひどかったのは、3件の注文で送り状を貼り間違えて荷物と送り先が、それぞれ間違って送られてしまった時です。まず、お一人から間違いの連絡があって、荷物を追跡すると連絡があった方とは別の場所に向かっている。さらに調べると3件が入れ違っていることが発覚して、お客様3人にお詫びをしつつ、輸送中だった荷物を止めるために宅配業者へ返送の連絡をして…、となかなかの修羅場でした。これも出荷を委託していた業者の間違いで私に責任はありませんが、矢面に立つのは私なので対処しました。それでも悪いレビューは付きませんでしたからね。

ミスや思っても見なかったところで、お客様にストレスを感じさせてしまうことは起こりえます。でも、起こった後の対応次第で二度と利用しないお客様になるか、逆にファンになることもあるので丁寧な対応が必要です。


実践!相手の心をつかむ「あやまり方」/内藤誼人