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「褒められる喜び」と「出来たことへの喜び」

「褒めて伸ばす」とはよく言われますが、小5のムスメを持つ身から、それだけでは足りないのでは? てことを考えてみます。

先日、ムスメが成績表を持ち帰りました。親バカながらムスメは頑張っていて、8教科のうち5が6つ、4が2つでした。正直、私の子供の頃よりもずっと優秀です。

ムスメは塾に通っておらず、書店で売っている公文のドリルを週に数回、自宅でやっています。学校の宿題は(学童保育でなく)放課後に学校で残ってやっていて、わからないところは先生に教えてもらっています。テスト前は何も言わなくても、自主的にテスト勉強もしています。

かと言って、ムスメは勉強が好きではありません。そのへんは普通の小学5年生と同じです。ですが、テストで悪い点数を取るのがイヤ、成績が落ちるのはイヤなようです。そのへんのプライドはあるようです。

ムスメが自主的に宿題や勉強へ向かうようになるために、褒めることもありました。私も「褒めて伸ばす」を実践して来ました。そもそも子育て自体が初めてですからね。

それが、徐々に私の意識も変化して「褒める」よりも「成功体験」「できた!」という本人の満足度も大切ではないかと思うようになりました。

公文のドリルは幼稚園の頃からやっています。それも、今できる力よりもちょっと上の、少し頑張ればクリアできるレベルの問題をやってきました。そうすることで、頑張れば自分にも出来るとの意識が身に着いたようです。

一時、「ムスメは天才かも!」と思って、有名進学塾のレベルの高い問題集をやっていた時期がありました。すると、一捻り二捻りある問題はなかなか解けず、私と一緒に説明を受けながらやっても、1問解くのに30分位かかることもありました。すると、教える私もイライラするしで、ムスメも疲れ果てていました。

その時に思ったのです。これじゃあ出来なかった、自分には問題が解けないという「失敗体験」が身についてしまうのではないかと。苦手意識が先に来て、やれば出来ることでも向かいたくなくなると感じました。

それ以降は、自宅でのドリルも学校で習ったところの復習しかやらないようにしました。先取り問題は「先に知ることができた」との優越感は得られますが、本人よりも親の満足が高い気がするので全くやっていません。

人に何かを教えて育てることって大変です。自分以外の誰かの面倒を見るのは、文字通り「面倒」なことです。四六時中付き合うことになる自分の子供は特に。

すると、教える方としても、もう少しラクに教える方法はないかと思いはじめて、世の中に流れている「褒めて伸ばす」のキーワードから、短絡的に「教える=褒める」と考えて、相手がどうであれ接する前から、まず「褒めなければ」と思いがちです。

元々「成功」を後から肯定するのが「褒める」のはずですが、今はそれが逆になっているような気がします。あくまでも「褒められる」のは「成功」によって得られるものなので、まずは「成功体験」が必要ではないかと。さらに「伸びる」のは結果の結果で、もっと先の話です。このあたりは「やる気スイッチはどこに?」でも触れいている内容に近いです。

結局は「成功体験」と「褒められる」ことの両方が揃えば一番良いのでしょうし、これらはほぼ同時に起きている時もあります。でも、自発的に何かをすることに繋げるためには、「成功体験」を意識したほうがよいと思います。


バクノビ 子どもの底力を圧倒的に引き出す339の言葉 [坪田信貴]