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ネットショップは需要と勝算があるかの吟味が必要 2

「ネットショップは需要と勝算があるかの吟味が必要 1」の続き

さて、私のショップでは売上が伸びたものの、ある段階で頭打ちになりました。今思えば、ここからが本当の競争です。

アイテム数を増やすためにネット仕入れを利用し始め、新しい商品が増えたことは良かったのですが、価格面の競争が始まったのです。ショップで扱っている商品はいわゆる「型番商品」で、他のネットショップや実店舗でも買うことが出来るもので、価格比較のされやすい商品ばかりです。

当時すでに、Amazon、楽天、ヨドバシなど幅広い商品を扱いつつ、送料無料やポイント還元を売りにする巨頭の存在は揺るぎないものでした。私のショップで扱っている商品も、それらショップやモールでも扱っているため、商品価格や送料で勝負するには限界があります。

私のショップも楽天へ出店していましたが、楽天内での同業者との競争もあります。価格、送料無料、ポイント還元など、結局は利益を削って勝負しなければなりませんが、それらは店側の負担になるので、おのずと価格面での限界が見えてきます。楽天やAmazonに出店しているところには、仕入れ業者や問屋もあるので、私のショップのようなスタイルでは競争には勝てません。

ポイント還元率を上げたり、送料無料のラインを下げたりと、色々と策を講じることで売上は維持していましたが、伸ばすまでにはなかなか至りません。「型番商品」は他店でも買うことができ、価格比較をされるので、これらの状況がわかっていくうちに、将来的なビジネスモデルの限界も感じ始めていました。

ショップの売上を伸ばして維持するために、商品のラインナップをさらに広げる方法もあります。そうすれば、ついで買いやまとめ買いのお客さんを掴むことが出来ますが、資金力と在庫リスクも大きくなります。

あと、ラインナップを広げすぎると、店の特長が薄れる可能性も出てきます。楽天に出店しているお店にも、服から雑貨、食品も扱っていて、なんのお店?と感じるところもあります。となると、そもそもやりたかった事って何だった?みたいな思いにもなってきます。

ネットショップの勝算ということで言うと、価格競争に陥らないようにしようと思えば、他店と比較しづらいオリジナリティのある商品が必要です。ですが正直なところ、これだけネットショップが大きく広がった現在で、オリジナリティのある商品はなかなか難しいです。手作りで何かを作るとオリジナリティかというと、今の世の中似たものは既に多く存在します。

でも、これからお店をやりたい人にとって、そういった難しい状況で勝負しなければならないことを知るだけでも、試行錯誤の時間を短縮することが出来ますし、方向性を考える上での現実的な指針になります。

私もネットショップ開設の相談を受けた場合でも、これら厳しい状況を正直にお話したうえで、何が出来るのかを一緒に考えています。


需要予測の基本 [ 山口雄大 ]