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ネット広告は対象の「質」を見極めるべし

ネットショップのオーナーさんから、ある業者からの広告勧誘に関しての相談がありました。

オーナーさんはリアル店舗、カタログギフトなどでの通販には慣れている方で、広告の必要性や、その効果なども理解されています。でも、ネット広告には経験が少ないため、ご相談を受けました。

その業者はアンケート会員を数万人抱えるリサーチ会社で、彼らに対して広告を出さないかというものでした。バナーは表示だけでは課金されず、クリックしてサイトへ訪れたら、例えば10円を課金して広告費用として請求されます。

その業者は聞いたことがあり、ネットショップの運営に関わっている私のところへも、電話やDMでしょっちゅう勧誘があります。私のことをショップ支援をしている業者とは思わず、オーナーだと思って勧誘してくるのです。

このような広告サービスは、その広告を見せる会員の「質」を見極めなければなりません。バナーを見て、クリックして、ショップの商品を買ってくれる可能性がある人達なのかどうか。

業者にとってはクリック課金でショップへ広告費用を請求できるため、最終的に会員が購入しようがしまいが関係ありません。でも、ショップのオーナーにとっては、少しでも多く購入に至って欲しいです。

そこで、いろいろ調べてみました。

そのサービスは会員にアンケートを実施して、代わりにポイントを還元しています。ポイントが貯まれば、他のサービスでショッピングに利用できたり、現金の代わりに使用できます。

加入している会員の多くはぶっちゃけてしまえば、お小遣い稼ぎで集まっている会員です。しかも、場合によってはアンケートページに表示されたバナーをクリックしないと、ポイント還元されないケースもあるらしく、義務感でバナーをクリックしていることもあるようです。

お小遣い稼ぎが目的の「脳」の会員、もっと言うと全く購入する状態の「脳」になっていない会員に対して、いきなりバナーを見せても、買おう!との衝動は起こりにくいのではないでしょうか。ポイント還元の為のクリックノルマはこなしても、購入に至るとは考えにくいですよね。

楽天やAmazonに出店すると売上が上がりやすいのは、そこに集まる会員の脳が「買おう」という状態になっているからです。買う気マンマンの会員が集まるモールだからこそ、売れやすいのです。

別に楽天やAmazonなどのモールへの出店を、勧めているわけではありません。単に数万〜数十万規模の会員がいるからといって、広告を出しても購入に繋がるとは限りません。多少の購入には繋がるかもしれませんが、会員数の数字から期待するほどの結果は得られないでしょう。ネット広告はその対象が、どういった性質であるかの見極めが必要だということです。

少し話はずれますが、広告を売り込む業者で、期間限定の割引特典を売りにしたり、月末内の契約を急がせる場合は注意しましょう。その多くは営業担当者が月の広告ノルマを達成するため、ショップの特長や内容を理解せず、手当たりしだいに売り込みをかけている可能性が高いです。


男の見極め術 21章