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阪和線クオリティ?

「阪和線クオリティ」というのは、Twitterなどで見かける言葉で、大阪と和歌山をつなぐJRの路線「阪和線」は信号トラブルなど遅延がよく起きることを意味しています。原因は設備の古さなどいろいろな要因があるようですが、和歌山方面や関空から大阪市内の環状線に乗り入れている列車も多く、一旦トラブルが起きると阪和線だけに収まらないことも多いのです。

私も取引先が和歌山に数件あるので、これまでにも阪和線の遅延に巻き込まれたことがありましたが、昨日のトラブルはこれまでで一番大変な思いをしました。

この日、私は和歌山市内の企業さん向けに出張講習の予定がありました。午後1時からの予定で、これまでにも隔週で行っていて、今回が4回目。そのため家を出る時間、乗るべき列車の時間も把握していました。

朝、関西ローカルの情報番組で、人身事故により阪和線で遅延が起きていることを知りました。人が列車に接触したらしく、事故の発生は朝6時台。私は11時過ぎに家を出るため、その頃にはある程度遅延も収まっているだろうと踏んでいたのですが、それが甘かった…。

11時過ぎ、最寄りの環状線の駅に着くと、まだ列車に遅れが出ていました。それでも15分程度の遅れで、予定していた列車では遅いですが、その1本前の列車に乗ることができたため、結果ほぼ予定通りに乗ることができました。

それが天王寺駅に着くと、和歌山に繋がる阪和線ではまだ30〜40分の遅れが続いていました。ここでも乗る予定の快速電車の一本前がまだ来ていなかったので、それに乗れれば遅刻にはならないだろうとホームで少し待っていました。ところがホームに停まっている普通電車ですら、全く出発する様子がありません。

このままでは遅刻しそうなので、南海電車で和歌山へ向かうことにしました。天王寺駅から南海へ乗り換えできる新今宮駅は一駅。ネットで時間を調べると、乗り換えにちょうどよい南海の快速が10分後に新今宮に来ることがわかりました。

阪和線乗り場から、新今宮に行ける環状線ホームへ移動。ホームには停車している列車があり乗りましたが、アナウンスで同じホームの向かい、次に入る列車が先に出発するとありました。それを聞いた私は停車していた列車を降りて、向かいに次の列車が来るのを待つことにしました。

すると! さっきまで私が乗っていた列車がしれっと発車したのです。ええっ? 次のが先に出るとアナウンスしてたのに、なんでそっちやねん! と思っても後の祭り。JRも混乱しているのでしょう、仕方なくそのまま次の列車を待ちました。

やっと、列車がやってきて乗り込みましたが、新今宮での乗り換え時間は1分! 先の列車に乗ったままなら余裕で乗り換えできたのに…。

新今宮駅に着いて改札を通り、南海の乗り場へダッシュ! すると、案の定ホームへの階段を登りきったところで、乗りたかった快速電車が目の前で発車…。無念すぎる! 

次の列車を調べると、特急サザンに乗らなければ講習の時間である午後1時に間に合いません。仕方なく特急券を510円で購入。それでも和歌山に着くのは12時49分。取引先の会社までは、タクシーを使ってギリギリです。

ふと、ホームの電光掲示板を見ると、サザンのところに「指定席」「自由席」の表示がありました。ん? よく見ると次に乗る予定のサザンは、指定席利用は510円必要ですが、自由席に乗れば特急券は必要ないとのこと! なんと! 普段南海はほとんど利用しないので知らなかった! よく調べない自分が悪いのですが、特急電車でそんな差があるなんて…。途中の停車駅を見ると、特急と言う名の快速電車のような感じです。

特急サザンの指定席車両は、4列席のプレミアムなシート。自由席車両は、一般的な対面でつり革のある普通のシートです。確かに指定席は座り心地よいですが、フツーの仕事の移動でプレミアムなシートは必要ありません。ああ、知らなかったとはいえ、到着時間は同じなのに510円余計な出費をしてしまいました。

そして、12時49分予定通り南海和歌山市駅に到着。タクシーはスムーズに乗れたものの、結局1時には間に合いそうになかったので、先方へ5分ほど遅れることを伝えてなんとか到着しました。これまで通り阪和線でJR和歌山駅に着いていればバスの230円で行けたところ、タクシー代が1,000円ほどかかってしまいました。

結局、5分程度の遅れで講習はスタート。お付き合いの長い取引先だったので、大きな問題にはなりませんでしたが、気持ちヘトヘトな状態で講習を進め、無事に終えることができました。

これまで列車の遅延があっても、せいぜい15〜20分程度の遅れで、個人的には大したトラブルになることはありませんでした。それが、今回は参加者6名が時間を都合して頂いた講習だったこともあり、かなり焦りました。

たぶん、私のような思いをした人が相当数居たと思います、また、どうやら自ら身を投じた人身事故だったようで、今回の遅延は阪和線にとっても被害者でもあり、単純に阪和線を攻めることはできません。

一説によると飛行機の出発時間があるので、遅延が起きると関空路線が最優先で、和歌山方面は上りも下りも特急も後回しのようで、講習を終えた夕方6時でも阪和線の遅延は収まっておらず、JR和歌山駅には人が溢れていたようです。私は南海で大阪へ戻ることにしました。

鉄道には詳しくありませんが、原因はなんであれ事故から12時間経っても遅れが収まらないのは「阪和線クオリティ」と言われる所以なのでしょうか…。 


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